近年、フードデリバリーの需要増加に伴い、新たな飲食ビジネスモデルとして「ゴーストレストラン」が注目を集めています。
実店舗を持たず、オンラインでの注文とデリバリーのみで運営されるこの形態は、従来の飲食店経営とは一線を画す革新的なアプローチです。
- ゴーストレストランとは?
- ゴーストレストランで収益をあげるための課題
- ゴーストレストランの始め方
本記事では、ゴーストレストランの概要、メリット、課題、そして成功への鍵を詳しく解説します。
目次
ゴーストレストランとは
コロナ禍でよく耳にするようになった「ゴーストレストラン(別名:バーチャルレストラン、クラウドキッチン)」とは、実店舗を持たず、Uber Eats(ウーバーイーツ)などのフードデリバリーのみに対応する、デリバリー専門店のことです。
従来の飲食店と比べて初期投資が少なく、柔軟な運営が可能であること、客席を設けずお客さんとの接触もないことから、コロナ禍の感染対策の面からも注目を浴びています。
ゴーストレストランで収益をあげるための課題
ゴーストレストランは低コストで開始できる反面、利益を上げるのは容易ではありません。
主な課題として以下が挙げられます。
- 固定費の負担
- 変動費の管理
一つずつみていきましょう。
1. 固定費の負担
ゴーストレストランでは、店舗を持たない代わりに料理を作るシェアキッチンが必要となります。
シェアキッチンの賃料が主要な固定費となり、売上に大きく影響します。例えば、月額賃料が20万円の場合、これをカバーするだけの売上を確保する必要があります。
2. 変動費の管理
シェアキッチンの賃料以外にも発生する変動費がかかります。
主な変動費には以下があります:
- デリバリーサービスの手数料(売上の約35%)
- 水道光熱費(月額約5万円と仮定)
- 食材費(売上の約25%)
例えば、月間売上300,000円の場合:
- デリバリー手数料:105,000円
- 水道光熱費:50,000円
- 食材費:75,000円
結果、純利益は70,000円となり、固定費を考慮すると赤字になる可能性が高いです。
ゴーストレストランで成功のための要素
ゴーストレストランで成功を収めるには、以下の要素が重要です:
- コストの最適化
- 複数ブランドの展開
- 顧客ロイヤリティの構築
- 効率的な生産システム
こちらもひとつずつみていきましょう!
1. コスト最適化
先程述べた通り、ゴーストレストランの運営には固定費のほかにも変動費がかかります。
そのため、可能な限り低コストの施設を選び、固定費を抑えることが重要です。
例えば、都心部ではなく、やや郊外のシェアキッチンを利用するなどの工夫が考えられます。
固定費が低いほど毎月の負担が減りますので、どの場所で始めるかはしっかりと吟味した方がいいでしょう。
2. 複数ブランドの展開
現在成功しているゴーストレストランでは、1つのキッチンで複数の店舗のゴーストレストランを運営していることが多いです。
一つのキッチンで複数のバーチャルブランドを運営することで、効率性を高めることができます。
例えば、和食、イタリアン、アジアン料理など、異なるジャンルの料理を提供することで、幅広い顧客層にアプローチできます。
3. 顧客ロイヤリティの構築
実店舗同様、ゴーストレストランでもリピーターを獲得することが重要です。
- コストパフォーマンスの高さ
- 配達で冷めてもおいしい料理
- 迅速な配達
- 一貫した品質
実店舗であれば、接客対応やレストランの雰囲気、内装などの要素もまた次に期待と思うかに影響しますが、ゴーストレストランの場合はそのような要素をお客様に伝えることができません。
そのぶん、値段や味のおいしさ、提供スピード、同じ品質を保つことがより重要となるでしょう。
4. 効率的な生産システム
ゴーストレストランでは、大量生産に適したメニュー開発が売り上げアップの鍵となります。
注文者は、料理のジャンルやメニューのほかにも、配達時間を見て注文するかしないかを決める場合が多いです。
そのため、一品一品が手のかかる料理にしてしまうと、提供スピードが下がり注文候補からはずれてしまいます。
効率的に料理を作るために、例えば、調理時間が短く、大量調理可能な料理や、配達時間中の品質劣化が少ない料理を中心に構成することが効果的です。
ゴーストレストランの始め方
次に、ゴーストレストランを開始するための手順を説明していきます。
1. 場所の確保
店舗がすでにあるという方は、最初はその場所でデリバリーを始めることをおすすめします。
これから始めるためまだ場所の確保ができていないという場合、シェアキッチンサービス(例:KitchenBASE、CLOCK KITCHEN)を利用するか、既存レストランの間借りを検討します。
他にも上場会社が運営する「シェアレストラン」という飲食店を間借りできるサービスもあるので、固定費や条件などを考えてどこにするかを決めましょう。
2. デリバリーサービスへの加盟
ゴーストレストランでは、デリバリー中心になるため、デリバリーサービスに登録する必要があります。
主要なサービスには以下があります。
- Uber Eats(全国展開、若年層に人気)
- 出前館(老舗サービス、幅広い年齢層)
- Wolt(配達品質の高さが特徴)
どこかひとつだけでなく、複数のデリバリーサービスに登録しておくことをおすすめします。
3. メニュー開発
提供するメニューが決まっていない場合、メニュー開発を行いましょう。
先程も述べた通り、あまり手がかからず素早く作れるものや、複数ジャンルのメニューを用意しておくといいでしょう。
もし独自メニューの開発が難しい場合、FCサービス(例:huriuri、Food’s Route)の利用も選択肢の一つです。
これらのサービスでは、実績のあるメニューを提供してくれるため、スムーズな立ち上げが可能です。
Uber Eats(ウーバイーツ)で自宅でゴーストレストランを出店する条件
Uber Eats(ウーバイーツ)を利用して自宅でゴーストレストランを出店する条件には以下のようなものがあります。
- 営業許可証がある
- 食品衛生責任者の有資格者がいる
- 十分な設備を備えたキッチンがある
①飲食店の営業許可証がある
自宅でゴーストレストランを出店する場合でも、営業許可証が必要です。
営業許可証の取得の基準は出店する自治体によって判断基準が異なり、展開する飲食店の種類によっても必要な営業許可は変わってきます。
提供するメニューや方法がすでに決まっている場合は、必要な営業許可を保健所に確認してみましょう。
②食品衛生責任者の有資格者がいる
自宅でゴーストレストラン出店する場合でも、通常の飲食店と同様に食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者の資格は、座学の講習を6時間受ければとることができるため、そこまでハードルは高くないでしょう。
また、すでに調理師免許や栄養士などの資格を持っている場合は免除されます。
講習を受講する場合、受講費用は1万円前後で、申込方法やスケジュールは各自治体の食品衛生協会によって異なるのでホームページから最新情報を確認しましょう。
③十分な設備を備えたキッチンがある
営業許可を取得するためには、保健所の担当者が施設基準をクリアしているか確認します。
その際、以下のような項目に当てはまるものが、十分な設備を備えたキッチンの目安となり、条件を満たしていないと営業許可がおりません。
この施設基準は各自治体で定められているため、詳細は各地方自治体の保健所に確認するようにしましょう。以下の項目は目安として捉えておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
建物の構造・面積 | 清潔で丈夫な建物であること 目的に応じた広さがあること 店舗と住居スペースが仕切られていること |
床 | 耐水性材質で排水が良好なこと |
壁 | 隙間がなく平滑で掃除しやすい構造であること、壁は床から1m以上耐水性の材質であること |
窓 | 網戸、排水口には金剛網などを付けてねずみや虫が侵入しないような設備にすること |
換気扇 | 換気システムがあること |
照明 | 作業に適した照明があること |
洗浄設備・給湯設備 | 2槽式のシンクがあること(1槽の大きさの目安45cm「幅」×36cm「奥行」×18cm「深さ」以上) 給湯設備があること |
手洗い設備 | 住居用とは別に、手洗い専用設備があること(手洗器外径のめやす36cm「幅」×28cm「奥行」以上) 消毒設備を備え付けること |
冷蔵・冷凍設備 | 食材に合った最適な温度で保存できる冷蔵・冷凍設備があること 温度計を冷蔵庫・冷凍庫等に備えること |
保管庫 | 調理器具や食材を保管できる扉のついた棚があること |
ゴミ箱 | ふた付きで汚液が漏れない材質の容器で用意すること |
まとめ
ゴーストレストランは、実店舗を持たず、低コストで開始可能な新しい飲食ビジネスモデルとして注目を集めています。
しかし、成功には綿密な計画と戦略が不可欠で、固定費と変動費を最小限に抑えつつ、効率的な運営と質の高いサービス提供を両立させることが重要です。
新規参入を検討する際は、固定費や変動費など、かかる費用を計算し、どのようなメニューを提供すれば売り上げがあがるかなどの市場調査をして、ゴーストレストランでの売り上げアップを目指しましょう!
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